ダイヤモンドはなぜあんなにキラキラ輝くのか?輝きの秘密を詳細解説
他に類を見ない輝きで人々を魅了してやまないダイヤモンド。
『ダイヤモンドは一体なぜあんなに輝くのか?』と疑問に思っている方もきっと多い事でしょう。
そこで、本記事ではダイヤモンドの輝きの秘密を丁寧に解説してきます。
特にダイヤモンドの輝きに大きく影響を及ぼす『カット』についてはより詳しく解説しています。
価値あるダイヤモンドジュエリーをお探しのあなたにじっくり読んで頂きたい内容です。
ダイヤモンドの輝きの基礎から、輝きを重視したダイヤモンドジュエリーの選び方まで幅広くご理解頂けるはずです。
ダイヤモンドのカットが確立されたのは実は最近
ダイヤモンドは紀元前4世紀ころにインドで初めて発見されたとされていますが、今日のようにジュエリーとして輝くダイヤモンドになったのはほんの100年ほど前の事なんです。
えっ!そんなに最近なの??
そう驚かれた方も多いと思いますが、現在の『ラウンドブリリアントカット』と呼ばれる58面体のカットが確立されたのは1919年のことです。
それまでのダイヤモンドは、硬い性質を利用して工業用に利用されたり、オールドカットなどと呼ばれる研磨をされたダイヤモンドをジュエリーとしていたので、今ほどの輝きはありませんでした。
現在の『ラウンドブリリアントカット』とそれまでの『オールドカット』は何が違うのかと言うと、ずばり『輝き』つまり『光の反射』です。
1919年にベルギー人のマルセル・トルコウスキーによって考案された『ラウンドブリリアントカット』は、ダイヤモンドの表面から入った光が最も跳ね返って来る理想の形を導き出しました。
もともと数学者でもあるマルセル・トルコウスキーが計算上最も輝くダイヤモンドの理想の形を計算で算出したのです。
この『ラウンドブリリアントカット』が現在のダイヤモンドの基礎になっているのです。
ダイヤモンドが最も輝くラウンドブリリアントカット
ダイヤモンドのカットには『ラウンドブリリアントカット』の他に『ペアシェイプカット』や『ハートシェイプカット』『オーバルカット』『エメラルドカット』『プリンセスカット』などの代表的なカットがあります。
近年ではレーザーで自在にカットが出来るようになったこともあり、オリジナルカットまで含めると無数のカットが存在しています。
代表的なカットの中で、ダイヤモンドが最も輝くカットは『ラウンドブリリアントカット』と呼ばれる58面体のカットです。
ダイヤモンドは光の反射で輝きますので、表から入った光がダイヤモンドの内部で反射して、全て表に戻ってきたとき(全反射したとき)最も輝きます。
この全反射が起きる理想のカットを追求した結果が『ラウンドブリリアントカット』ですので、当然一番輝くわけです。
『ラウンドブリリアントカット』はダイヤモンドが輝くための理想的なプロポーションであるため、輝きを第一に考えるならば『ラウンドブリリアントカット』を選ぶ事ががおすすめです。
ダイヤモンドは光の反射でより輝くからこそカットの精度が重要
ダイヤモンドの輝きに影響を与える要素には大きく2つあります。
- クラリティ(透明度)
- カット
ダイヤモンドの輝きに影響を及ぼす一つ目は『クラリティ』です。
地中深くの過酷な環境下で結晶となるダイヤモンドは生成過程で内放物を取り込んだり、傷を帯びたりします。
こうした内放物や傷がダイヤモンドの内反射の妨げとなって輝きが鈍ってしまう事があるのです。
クラリティが高いと光の反射を邪魔するものがないので、それだけダイヤモンドは強く輝く事になります。
そうした理由から、クラリティはダイヤモンドの輝きに大きな影響を与えます。
透明度の高いダイヤモンドは光の反射を邪魔するものが少ない分強く輝く
次にダイヤモンドの輝きに重要な要素は『カット』です。
なぜならば、理想に近いカットでないと表面から入った光が正面に戻って来ずに、別の方向に逃げてしまいますので、輝きが損なわれてしまうからです。
クラリティはあとから変える事ができませんので、唯一ダイヤモンドの輝きに人間が影響を及ぼせるのはカットのみとも言えます。
全てのダイヤモンドを『エクセレントカット』に仕上げてしまえばいいんじゃないの??
そう考える方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には歩留まり(カラット数を少しでも大きくとる)や職人の腕(人件費を含め)などの要因もあり、カットグレードは様々です。
だからこそダイヤモンドの輝きを重視するならば、カットグレードはしっかり確認するべきなのです。
ダイヤモンドのカットグレードは5段階プラスα
ダイヤモンドの輝きに影響を与えるカットですが、鑑定書では5段階で評価されます。
カットグレード | 評価 |
エクセレント(EX) | 高い |
ベリーグッド(VG) | ⇑ |
グッド(G) | ⇑ |
フェア(F) | ⇑ |
プア(P) | 低い |
ダイヤモンドのカットを評価する際には、『プロポーション』と『フィニッシュ』を含めて総合的に鑑定しています。
プロポーションについては、ガードルの厚さやキューレットの有無、パビリオンやクラウンのバランスなど形についてを評価します。
フィニッシュは、『磨きの状態』と『左右対称性』の2つをそれぞれを5段階で評価します。
カットグレードが高ければそれだけ理想の形に近いので、より強く輝くと言えます。
トリプルエクセレント(3EX)とハート&キューピッド(H&C)とは?
ダイヤモンドのカット評価の場面では、『トリプルエクセレント』や『ハート&キューピッド』という評価を受けているダイヤモンドがあります。
もともとダイヤモンドの評価基準は5段階ですが、『トリプルエクセレント』や『ハート&キューピッド』はその5段階評価プラスαといったイメージです。
先に説明したダイヤモンドのカットは総合評価なので、鑑定書には3か所5段階評価が記載されます。
この3か所すべてが『エクセレント(EX)』だった場合に、『トリプルエクセレント(3EX)』と呼ばれる事があります。
ダイヤモンドのカッティング評価基準全ての項目において最高ランクのダイヤモンドですので、価値が高まる上に輝きも強いという証でもあります。
そして、『ハート&キューピッド』とはカットの中で左右対称性が特に優れている場合、特別なスコープでのぞくと表面は矢が8本、裏面はハートが8つ見える事があります。
左右対称性が優れている時にこのハートと矢が現われるので、天使が弓矢を射るイメージで『ハート&キューピッド』と呼ばれます。
左右対称性に優れた『ハート&キューピッド』も理想のプロポーションに近い証ですので、輝きが強くなる傾向があります。
『ハート&キューピッド』については、カットグレードが『ベリーグッド』でも左右対称性が優れていれば、確認できる事があります。
『トリプルエクセレント』も『ハート&キューピッド』もより優れたカットであるという点ではダイヤモンドの輝きを見る上で重要なポイントとなります。
ダイヤモンドの輝きを数値化した鑑定書がある
一般的には図のようなダイヤモンドの輝きは4Cのクラリティやカットから判断したり、『テリ』などと呼ばれる目で見た輝きの強さを見て判断する事が多いです。
そんな中で、ダイヤモンドの輝きにフォーカスをあてて科学的に輝きの強さを分析・測定した鑑定書があります。
特に有名なのが『サリネ・ライト』や『GEMEX』で、最近では一般的な鑑定書に加えてこれらの鑑定書も付属しているジュエラーも増えています。
サリネ・ライトレポート
『サリネ・ライト』はイスラエルのサリネ・テクノロジー社が発行する鑑定書です。
『サリネ・ライト』では、輝きを大きく4つの項目に分類して5段階評価をつけています。
そして、最終的に鑑定したダイヤモンドに対して、9段階の総合評価がつけられます。
サリネ・ライトで評価する項目
- ブリリアンス・・・ダイヤモンドから出る白色光の輝き
- スパークル・・・ダイヤモンドを揺らした時の輝き
- ファイア・・・ダイヤモンドから出る虹色の輝き
- シンメトリー・・・ダイヤモンドから出る反射光の対称性
4つの項目は上から「Exceptional」⇒「Very High」⇒「High」⇒「Standard」⇒「Minimum」のランクで評価されます。
そして総合評価は上からUltimate(☆☆☆~☆)⇒Premium(☆☆~☆)⇒Classic(☆☆~☆)⇒Low(☆☆~☆)の9ランクに分類されます。
『サリネ・ライト』の最高ランクはUltimateの☆3つ(アルティメットスリースター)となっており、最も輝くダイヤモンドの評価が与えられています。
GEMEX
『GEMEX』はアメリカのGEMEX社が発行するダイヤモンドの鑑定書です。
『GEMEX』はダイヤモンドの輝きを大きく3つの項目に分類して、LOWからVERY HIGHまでの4段階評価をしています。
『GEMEX』も『サリネ・ライト』に似た項目をチェックしています。
GEMEXで評価する項目
- White light(ブリリアンシー)・・・ダイヤモンドから出る白色光の輝き
- Color light(ファイア)・・・ダイヤモンドから出る虹色の輝き
- Scintillation(シンチレーション)・・・ダイヤモンドを揺らした時の輝き
『GEMEX』では3つの項目すべてがVERY HIGHだと最高評価となり、最も輝くダイヤモンドとなります。
鑑定にはブリリアンススコープ呼ばれる専用の機器が用いられ、3つの項目を検査しています。
輝きの強いダイヤモンドはカラット数以上の存在感を発揮する
輝きの強いダイヤモンドは、カラット数以上の存在感を示してくれるので、良いジュエリーを選ぶの際には必ず確認すべきポイントと言えます。
輝きの強いダイヤモンドジュエリーを選ぶ際は次の点に注目しましょう。
輝きを重視したダイヤモンドの選び方
- ダイヤモンドのカットグレード
- ダイヤモンドのクラリティ
- 内放物やキズの位置
上記の3点を確認するだけでも、同じようなダイヤモンドの中から輝きの強いものを選別する事が可能です。
鑑定書を確認したり、実際の輝きを目でみたり、信頼できるお店で選ぶ事などもお気に入りのダイヤモンドジュエリーを見る秘訣と言えるでしょう。
『せっかく選んだジュエリーが輝かずがっかりした。』といった後悔をしないために、輝きの基礎知識を頭に入れて最良のダイヤモンドジュエリーを是非見つけてください。
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