プラチナとホワイトゴールドは何が違うの?PTとWGの違いを詳細解説
最近はジュエリーの素材でホワイトゴールド(White Gold)が増えてきました。
ホワイトゴールド(WG)は和訳すると『白金』となるので、プラチナと混同している方も実はまだ多くいます。
そこで本記事では、ホワイトゴールドとプラチナの違いについて詳細に解説していきます。
ジュエリーで主流となりつつあるホワイトゴールド(WG)の特徴や性質についてすべてを知る事ができる内容になっています。
もちろんプラチナについても詳しく理解できる内容になっています。
ホワイトゴールドとはどんな金属なのか
まず、ホワイトゴールドとは何なのかという事ですが、ホワイトゴールドは英語で『White Gold』と書きます。
『White Gold=白い金』
その名の通り、ホワイトゴールドとは金なのです。
通常黄色のイエローゴールドと違い、白味の強いゴールドという事になります。
なぜ白くなるかというと、イエローゴールドに比べ割金に銀やパラジウムが多く入っているからです。
つまりホワイトゴールドとは、イエローゴールドやピンクゴールドと同じ金であるという事です。
割金(わりがね)
金を合金にする際に混ぜる金属のこと
銀、銅、パラジウムなどが良く使われる
純度も18金ホワイトゴールド(K18WG)や14金ホワイトゴールド(K14WG)などのように様々あります。
ゴールドの割金や色については次の記事を参考にしてください。
18金や割金について詳しくはこちら
プラチナは貴金属のひとつ
ではプラチナ(Platinum)とは何なのかと言うと、プラチナという貴金属の一種です。
ややこしいのは、プラチナを漢字で書く場合『白金』と表記される事にあります。
『白金』を単純に英語に直すと『ホワイトゴールド(White Gold)』となってしまうので、白金とホワイトゴールドを混同してしまう方もいるわけです。
なぜこのようなややこしい事になってしまったのかというと、ホワイトゴールドがプラチナより遅れて流通するようになったからなのです。
プラチナとホワイトゴールドの流通時期
プラチナは17世紀には発見されており、18世紀後半には加工法も確立され広く流通するようになりました。
対してホワイトゴールドは、第一次世界大戦の開戦とともに流通が不安定になったプラチナに代わって開発された金合金です。
つまり、ホワイトゴールドが広く流通するようになったのは、20世紀初めという事になります。
プラチナが発見された時はホワイトゴールドがなかった事で、プラチナは『oro blanco』『white gold』(白い金)と呼ばれていました。
そうした背景から和訳されたプラチナも『白金』と訳されたというわけです。
その後、ホワイトゴールドが広く流通した事により、白金とホワイトゴールドが誤解を招きやすい表記となってしまって今日に至るのです。
ホワイトゴールドとプラチナの違い
貴金属の一種であるプラチナと金合金の一種であるホワイトゴールドの違いを一覧にしてみました。
プラチナ | ホワイトゴールド | |
表記 | 1000分率 | 1000分率 24分率 |
純度 | Pt850~Pt999 | K9(375)~K24(999) |
比重 | 19.9(Pt900) | 15.9(K18WG) |
硬さHv | 110前後(Pt900) | 200前後(K18WG) |
融点 | 1769℃(純プラチナ) | 1064℃(純金) |
一般的にジュエリーに多く使われるプラチナ900や18金の場合、硬さでは18金の方が固い事が分かります。
ただし、プラチナ900は金属の粘性が高いので、しっかりと宝石を留めらる事から爪留めのジュエリー素材に向いています。
硬さのあるホワイトゴールドは、プラチナに比べると細かい彫りや透かしなどの繊細なデザインに向いています。
また、プラチナとホワイトゴールドを並べるとホワイトゴールドの方が明るい銀色をしています。
厳密に言うとホワイトゴールドの表面にはロジウムコーティングがかけられているので、ロジウムが明るいという事になるのですが。
明るさの違いからカラーストーンやダイヤモンドの輝き方や見え方が変わってきますので、見せ方によって素材が選ばれる事もあります。
ホワイトゴールドの注意点
ホワイトゴールドは厳密には黄色味を帯びた銀色をしています。
そのため、多くのホワイトゴールドジュエリーは最後に表面にロジウムでコーティングをかけてより白色に見せています。
ロジウムコーティングとは簡単に言うと厚めのメッキと一緒ですので、長年使っていると表面のコーティングが剥げて落ちてしまいます。
そうすると下地の色が見えてしまいますので少し黄色味がかった感じに変色したように見えてしまいます。
ホワイトゴールドの変色?
表面のロジウムコーティングがはげる⇒下地の黄色味を帯びた金が見える
ホワイトゴールドが変色しているわけではなく元の色が見えてしまっている
ホワイトゴールド自体はほとんど変色しませんので、ホワイトゴールドで黄色く変色してしまったとは、表面のコーティングがはげたと考えてよいでしょう。
黄色味が強くなってしまった時は、再度ロジウムコーティングをかけてあげる事でもとに戻す事ができます。
気になった時は販売店やロジウムコーティングを受けてくれる宝飾店に預けましょう。
店舗にもよりますが、ロジウムコーティングだけなら数千円程度で受けてもらえるはずです。
プラチナでもホワイトゴールドでもハイジュエリーに違いない
プラチナとホワイトゴールドは別物である事がお分かり頂けたのではないでしょうか。
どちらも貴金属なのでジュエリーの素材としては非常に価値があります。
デザインや加工によって最適な素材が選ばれたり、原材料の価格によってもプラチナが選ばれたりホワイトゴールドが選ばれたりします。
どちらがジュエリー向きという事ではなく、どちらもジュエリー向きの貴金属と言えます。
素材の特性や宝石の輝きを最大限に引き出しているジュエリーならば、素材はプラチナでもホワイトゴールドでも間違いなくハイジュエリーと言って間違いありません。