【カラーダイヤの秘密】無色ダイヤモンドになぜ色がつくのか?

ダイヤモンドは無色透明である方が良いとされていますが、中には色のついた『ファンシーカラーダイヤモンド』と呼ばれるダイヤモンドがあります。
ファンシーカラーダイヤモンドは、色味や品質によっては白のダイヤモンドをはるかに上回る価値を持ちます。
色も非常に様々で、ピンク・ブルー・イエロー・グリーンなどが多岐にわたります。
本記事では無色のダイヤモンドに何故色が付くのかや人工的にダイヤモンドに色を付ける方法などを詳細に解説しております。
カラーダイヤモンドのジュエリーを検討されている方は是非ご覧になって頂きたい内容です。
無色のダイヤモンドがカラーダイヤモンドになる理由

そもそもダイヤモンドは、炭素の原子が結びついて結晶となり作られています。
鉛筆の芯なども同じ炭素の原子から作られているのですが、原子同士の結びつきの違いで鉛筆の芯となるかダイヤモンドになるかが変わります。
当然ダイヤモンドの方が炭素原子の結びつきが強いのですが、自然環境の中で強く結び付くにはそれだけ過酷な環境でしか形成されないため、ダイヤモンドの希少性が高いわけです。
そして、炭素原子のみで完璧な結晶構造の場合ダイヤモンドは『無色透明』となります。
ダイヤモンドの結晶構造が崩れたり、違う原子が混じると色がつく
では、なぜダイヤモンドに色がつくのかと言うと、ざっくり言ってしまうと結晶構造が完璧でないからです。
ダイヤモンドの結晶は炭素原子1つの周りに4つの炭素原子が結びついて3角錐のような形状をしています。
合計5つの原子が全て炭素で構成されている状態を完璧とすると、炭素原子が窒素やホウ素原子に代わってしまったり、欠落してしまった状態が不完全の結晶という事になります。
ダイヤモンドの結晶にこうした不完全な部分があると、色がついたり内包物が認められたりするのです。
ダイヤモンドの結晶が不完全になる原因
- 炭素原子以外の原子が混ざっている
- 炭素同士の強固な結びつきでない部分がある
ダイヤモンドは100km以上の地中奥深くでマグマとなった炭素原子が噴火などの原因で地表近くまで一気に吹き出し、急速に冷却された結果『結晶』となります。
この過程で炭素原子同士だけでなく、違う原子や異物を取り込んでしまったり、結晶の原子の結びつきが崩れてしまったりしてしまうのです。
このような過程で取り込まれた原子や構造の歪みの影響を受ける事でダイヤモンドに色がつくのですが、取り込んだ原子や歪み方によって発色する色が変化します。
もともとダイヤモンドの炭素原子の結びつきは非常に強固で、1つの炭素原子に4つの炭素原子が三角錐の様に結びついています。
- ダイヤモンドの原子の結びつき(立体図)
- 一つの炭素原子につき4つの炭素原子が結びついている。
炭素原子同士が密に結びついている事で、強固なダイヤモンドになる

- ダイヤモンドの原子の結びつき(平面図)
- 炭素原子同士が結びつくので平面図にすると格子状で表す事ができる

全て炭素原子だと無色透明のダイヤモンド(タイプⅡa)になるが、結びつきの中に炭素以外の原子が混じったり、規則正しい配列が崩れるとカラーダイヤモンドになる



ダイヤモンドにイエローやブラウンなどのカラーが多いのは、生成過程で窒素原子は混じりやすく、結晶構造が完璧な状態で算出される事がとても稀であるからと言えます。
内放物の多いダイヤモンドが多いのも同様で、過酷な条件下では完璧な結晶はそれだけ生成されにくいからと言えます。
そうした理由から、無色透明のダイヤモンドやファンシーカラーのダイヤモンドは希少性が高く、価値を持っているわけです。
カラーダイヤモンドと色の関係
カラーダイヤモンドが何色になるかは、ダイヤモンドの形成過程において何の影響を受けたかによって変わってきます。
カラーダイヤの色と主に受けている影響
- ブルーダイヤモンド・・・ホウ素原子を取り込んだ影響
- ピンクダイヤモンド・・・窒素原子を取り込んだ影響
- イエローダイヤモンド・・・窒素原子を取り込んだ影響
- グリーンダイヤモンド・・・自然界の放射線と窒素原子を取り込んだ影響
- ブラウンダイヤモンド・・・窒素原子を取り込んだ影響
- ブラックダイヤモンド・・・結晶構造の歪みの影響
カラーダイヤモンドでは窒素原子が関係している事が一番多い為、イエローダイヤモンドが非常に多いです。
ただし、窒素原子が関係していれば必ずファンシーイエローダイヤモンドになるわけではなく、おおくはベリーライトイエローやライトイエローになります。
その為、ファンシーイエローなどの濃い黄色は希少性が上がるので、価格も伴って上がるのです。
カラーダイヤモンドの色の濃さは取り込んだ原子の数や配列によって色の濃淡が変わってきます。
カラーダイヤモンドは色が濃いほど価値が上がる

ファンシーカラーと名の付くカラーダイヤモンドは、色が濃くなるほど希少性が高まるので価値が上がります。
ただし、色が濃くてもクラリティなどが低いと評価が下がってしまいますので、ただ色が濃ければ良いという事でもありません。
また、色が濃すぎてFancy Deepとなると色が詰まって暗く見える事から評価が下がることがあります。
やはり宝石ですので、目で見て美しい色味や輝きが備わっている事がとても大事であるといえます。
色の濃さと鑑定書への表記については以前の記事をご覧ください。
後から色をつけてカラーダイヤモンドを作る事も出来る
カラーダイヤモンドには『天然のカラーダイヤモンド』と『人工のカラーダイヤモンド』の2種類があります。
人工のカラーダイヤモンドは、産出したダイヤモンドに後から色の改変を目的として処理を施します。
そして、カラーダイヤモンドを作る処理方法にはいくつかの方法があります。
カラーダイヤモンドの着色方法
- 放射線照射処理
- 充填処理(じゅうてん)
- ペインティング処理
- コーティング処理
- 漂白処理
- 高温高圧処理(HPHT処理)
放射線照射処理
放射線照射とは、文字通りダイヤモンドに放射線を当てる事によって色をつける処理の事です。

放射線が宝石に残って危険じゃないの?
放射線と聴くとそう思う方も多いかもしれませんが、もちろん人体に影響のない放射線ですので心配はいりません。
ダイヤモンドに放射線をあてると、結晶構造が変化するので色がつくわけです。
もともとのダイヤモンドの色味や特性によって照射後の色が変化したり、電子線や中性子線などの照射する放射線の種類によっても出来上がりの色が変化します。
また、最近では『アイスブルー』という名前のパステルカラーのブルーダイヤモンドも人気ですが、『アイスブルー』はもともと無色に近いダイヤモンドに放射線を照射する事で淡い色に発色させています。
色の改変を目的とした放射線照射は、ダイヤモンドの他に『ブルートパーズ』などでも一般的に行われている処理方法です。
充填処理
充填処理(じゅうてんしょり)とは、傷けの多いダイヤモンドの亀裂などをガラスや樹脂で埋めてしまう事で見た目を向上させる処理です。
無色のガラスや樹脂を充填したり、色付きのガラスや樹脂を充填する事でダイヤモンドの色を変えてしまう事もあります。
充填処理は『エメラルド』など亀裂の多い宝石で行われることのある処理です。
ペインティング・コーティング処理
コーティング処理とは、ダイヤモンドに色付きの薄膜でコーティングをしてカラーダイヤモンドにする処理です。
ダイヤモンドのガードル部分にペインティング処理を行うとつけた色が内側に映り込む事でカラーダイヤモンドに見えるようになります。
当然表面にコーティングをかけているだけですので、被膜がはがれると色も一緒に落ちてしまいます。
ペインティング処理もコーティング処理に近く、ダイヤモンドの表面に油性インクのようなものでペイントしてしまう処理方法です。
コーティングより手軽ですが、すぐにはがれ落ちてしまう為一時的な色の改変と言った処理です。
漂白処理
漂白処理とは宝石用の漂白剤にダイヤモンドを浸す事で、無駄な色を省いたりして色を綺麗にする方法です。
亀裂の中に見える黒い内放物を取り除く際に利用されたりします。
なお、漂白された後は空洞として残ってしまうので、漂白処理をした後に充填処理をされる事が一般的です。
高温高圧処理(HPHT処理)
天然のカラーダイヤモンドは、地球の地圧と地熱の影響を受けて色がついています。
そうした圧力と熱を後から人工的に加えてあげてダイヤモンドの色を改変させる処理が高温高圧処理(HPHT処理)です。
例えば、ブラウンダイヤモンドは結晶に窒素原子を取り込んでいて、結晶構造に歪みがあるので茶色に発色しています。
そこで、ブラウンダイヤモンドに高温と高圧をかけてると、窒素原子の配列と結晶構造が整えられる事でイエローダイヤモンドやピンクダイヤモンドの変化します。
HPHT処理はダイヤモンドがもともと持っている特性を引き出してあげる事で色をつける処理と言えます。
つまり、逆を言うと特性のない色は出ません。
例えば、ブランダイヤモンドにHPHT処理をしてもにブルーダイヤモンドには変わらないというわけです。
HPHT処理はもともとダイヤモンドの持っている素質を引き出している点で違和感がなく、ナチュラルカラーダイヤモンドより安価に手に入れる事が可能なので人気があります。
ズバリあなたに合ったカラーダイヤモンドのタイプはこれ!!

今あなたがカラーダイヤモンドのジュエリーを購入しようと考えているなら、目的に応じてカラーダイヤモンドを選びましょう。
ざっくりとタイプ別に分けると次の様になります。
タイプ別にダイヤモンドを選べば、あなたの希望に沿ったダイヤモンドジュエリーが見つかる確率が高まるでしょう。
タイプ別おすすめのカラーダイヤモンド
- 希少性や価値を重視したい・・・ナチュラルカラーダイヤモンド
- 普段使いのカラーダイヤモンドがほしい・・・トリートカラーダイヤモンド
- リーズナブルでカラーダイヤモンドが欲しい・・・トリートカラーダイヤモンド
- ダイヤモンド本来の色にこだわりたい・・・ナチュラルorHPHTカラーダイヤモンド
金額にこだわらないのであればナチュラルカラーダイヤモンドから納得のいく色のジュエリーを選ぶのが良いでしょう。
しかし、天然のファンシーカラーダイヤモンドは高額になりやすいので、日常使いとして気軽につけたい場合はトリートのカラーダイヤモンドも選択肢に入れると選びやすくなります。
特にHPHT処理のカラーダイヤモンドであれば、色味もはっきりしている上に違和感のないカラーを選ぶ事が可能です。
カラーダイヤモンドは実に様々存在しますので、自身の予算やこだわりに応じてお気に入りの逸品を見つけてみてください。



